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厚生労働省の暴挙――『じん肺診査ハンドブック』改訂に関するパブリックコメントを無視。

お知らせ 制度・改善

 2026年1月26日、労働政策審議会じん肺部会が開かれ、じん肺診査ハンドブックの改訂案の決定が強行されました。

第30回労働政策審議会安全衛生分科会じん肺部会 資料 |厚生労働省

 しかし、2025年10-11月、改訂案に関するパブリックコメントが募集されたものの、まだ結果が公示されていません。

じん肺診査ハンドブックの改訂(案)に関する御意見の募集について|e-Govパブリック・コメント

 パブリックコメントの内容を、公益・労働者代表・使用者代表からなる労政審じん肺部会に出すべきなのに、それをやらずに強行したのです。民主主義に反する暴挙です。

 2025年11月27日には、じん肺やアスベスト疾患患者を多数見ている13人の専門医が、改訂案に対する批判的な意見(ハブリックコメント)を提出しています(たんの検査や胸部CTなどについて)。

 また、今まで石綿肺などのじん肺の、特に続発性気管支炎など合併症の労災認定について、暴挙が繰り返されました。

「不正受給者」との印象操作

 衆院2010年3月16日提出、質問第269号「石綿健康被害救済制度における指定疾病に関する質問主意書」に、「本年1月22日に開かれた、第三回中央環境審議会環境保健部会石綿健康被害救済小委員会において、北海道中央労災病院の木村清延医師は、じん肺労災認定患者のうち、本来じん肺の合併症である続発性気管支炎は少数のはず、聴覚障害不正受給事件があったなどと報告した。この報告に対し、1月25日に『中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会』は、環境省石綿健康被害対策室が、石綿肺の合併症患者を不正受給者だと印象づけるため、同医師の主張を聴く機会をつくった、として抗議文を出している」と記載されます。(鳩山内閣は、不正受給ではないと答弁)

じん肺法違反のハンドブック改訂案

 現行の『じん肺診査ハンドブック』には、「たんの量の区分が2以上で、たんの性状の区分がP1~P3の状態が、1年のうち、3ヶ月以上毎日のように続く場合には続発性気管支炎に罹患していると判定し、治療の対象とする」とあります。

 ところが、改訂案では「治療の対象とする」という文言が削除され、続発性気管支炎に罹患していても、ただちに治療の対象とはしない、「治療の必要性は個別の判断となるため」とされています。
 しかし、じん肺法第23条に「じん肺管理区分が管理4と決定された者及び合併症にかかつていると認められる者は、療養を要するものとする」と規定されます。つまり、管理4及び合併症に罹患している患者は、要療養だと法定されているのです。
 上記改訂案は、続発性気管支炎に罹患しているのに「要療養」を否定するものなので、違法です。法第23条によれば、合併症に罹患している者は要療養なので、現行の記載が適法です。

 アスベスト被害のうち、石綿肺の多数を占める合併症(続発性気管支炎)、石綿関連肺がんの多数を占める「石綿ばく露かつ胸膜肥厚斑(プラーク)」という事案を切り捨てようとする動きに反対しなければなりません。