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アルバイトではなく、正社員賃金に是正

お知らせ 制度・改善

 アスベストにばく露した会社を定年退職後に再雇用された場合、労災給付基礎日額が低くなる問題があります。

 1970年1月22日の通達では、定年退職後も再雇用される場合には「実質的には一つの継続した労働関係である」とみなし、再雇用後にアスベスト疾患を発症した場合、再雇用の低額にされました。

 しかし、2016年7月20日に労働保険審査会は、アスベストにばく露した正社員時代の賃金にするよう、裁決しました。厚生労働省は2017年6月26日、この裁決を踏まえた通達を出しました。

石綿労災補償、アルバイトから正社員に再算定で一転3.6倍に | 毎日新聞

 上記2026年2月26日の毎日新聞の記事に登場する被災労働者は、「正社員→再雇用→アルバイト」と身分が変遷し、アルバイト中に発症したため、アルバイトの賃金にされました(2009年1月)。

 アルバイトは、正社員から継続した労働関係とは言えないので、従前の解釈に照らしても間違いだと、岐阜労働局や本省に申し入れましたが、是正されませんでした。

 その後、厚生労働省は上記2017年の通達を改正し、2023年3月29日に「定年退職後同一企業に再雇用された労働者が再雇用後に石綿関連疾患等の遅発性疾病を発症した場合の給付基礎日額の算定に関する取扱いについて」という通達などを出しました。

 毎日新聞の記事に登場する遺族は、2024年8月1日付「最低保障額の改定による変更決定通知書」(労災遺族補償年金を受けている遺族に、毎年通知される)について審査請求しました。その主旨は最低保障額の改定自体ではなく、もともとの平均賃金の算定に不服があるというものです。審査請求が棄却され、再審査請求しました。

 労働保険審査会の審理が2025年7月17日に開かれ、被災労働者の労災認定時に給付基礎日額について不服を申し立てなかった理由を問われました。遺族代理人は、「瑕疵(かし)ある決定を行いながら、当時不服審査請求しなかったからいけない、と監督署が主張するのは許されない」という意見を、審査会に送りました。

 労働保険審査会は監督署に連絡し、このたびの自庁取消、追給にいたったのです。