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2026.10.9 アスベストなど労災給付基礎日額に関する「厚生労働省令案要綱は妥当」と労働政策審議会が答申

お知らせ 制度・改善

 労政審の労災保険部会が開催され、「労災法施行規則及び労働保険徴収法施行規則[厚生労働省令]の一部を改正する省令案要綱」に関する厚生労働大臣からの諮問に対し、妥当と答申されました。

 これは、潜伏期間を経て発症するアスベスト労災日額が「20代の賃金にされるのは、不当」として、稲田朋美衆院議員や森まさこ参院議員など、地元の国会議員とともに取り組んできた運動の成果ですが、まだ不十分です。

改正労災則(省令)の内容

 下記の内容を簡略化すると、次のようになります。一つ目が「諮問」の概要、二つ目が「省令案要綱」です。

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 ①給付基礎日額の算定は、「石綿疾病」にかかったことにより労災保険給付を受けることとなった労働者が、発病したときに、その疾病の原因となった業務に従事した最後の事業場を退職している場合などには、発病した日を基礎として算定した平均賃金に相当する額(発症時平均賃金の額)とする。

 ② ①にかかわらず、「発症時平均賃金の額」が、疾病の原因となった業務に従事した最後の事業場を退職した日前三箇月間に支払われた賃金の総額を総日数で割った額を基礎とし、疾病の発生が確定した日までの賃金水準の変動を考慮して算定する額に満たないときは、疾病の原因となった事業場の賃金より算定する。

 また、疾病の原因となった事業場を退職した日以前三箇月間に支払われた賃金の総額が不明である場合において、発症時平均賃金の額(前者)が、疾病の原因となった事業場で業務に従事した同種労働者の賃金額より推算するなどした額(後者)に満たないときは、後者で算定する。

 今までは20代で石綿作業事業場を離職して50代で発病しても、20代の賃金にされましたが、今後は50代の賃金にするということです。(発病時の賃金のほうが、ばく露時の賃金より低い場合は、従来通りばく露時の賃金にする)

労働者代表が、連絡会の要望を「ご覧いただきたい」と意見

 今回の改正後のルールを、改正より前に発症している方にも適用する案は、採用されませんでした。

 労災保険部会の審議に先立ち、連絡会は下記の要望を提出しました。

2026.8.4稲田・森両国会議員(弁護士)が、アスベスト労災日額改正の遡及適用を厚生労働大臣に提言、労働政策審議会(9/8)に連絡会が要望 – アスベスト患者と家族の会 連絡会

 労働側から「アスベストなど遅発性疾病の給付基礎日額に関する要望というのも本日出されており、是非、参考資料としてあるので、ご覧いただきたい。」と発言してくださいました。(下記7頁)

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 使用者代表が「遡って新たなルールを適用し直す場合に必要な、石綿関連に限っても300億円や150億円という、大きな財源というのは担保されていない」と発言しています(8頁)。これは新制度を「改正より前に発症している方にも適用する」場合、既決定者の追加給付分+既決定者の将来給付分が300億円、既決定者の将来給付分が150億円という厚生労働省の試算です。ただし、150億円というのは将来給付の25年間分なので、財源論は再検討が必要です。

当事者の参加が必要

 現行法では、「改正後のルールは、改正前に発症している受給者には適用しない」ということになりました。

 しかし、上記労災保険部会の審議では、次のような意見が散見されます。

「当事者の方の思いを考えると、苦しいところではある」、「当事者の方々のお気持ちも十分に理解できる」(10頁、公益)。

「当事者やご遺族の気持ちに寄り添いつつ」(11頁、労働者代表)、「遅発性疾病に苦しむ方々にとって様々な困難があるとの指摘も理解した。」(12頁、使用者代表)、「当事者の方の思いを考えると、色々と思うところではある」(13頁、公益)。

 潜伏期間が長く、重篤な石綿健康被害の特殊性、労働保険審査会の裁決などを踏まえ、石綿救済法(厚生労働省関係)による「改正前受給者」の救済、当事者参加の機構設立が必要です。