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労災給付基礎日額の公正な是正を要望

お知らせ 制度・改善

 連絡会は9/1、稲田朋美衆院議員とともに、厚生労働省に要望しました。

 石綿救済法全般では、国の責任による中皮腫治療研究。国の不作為がなければ、中皮腫の過剰発症がなかったのだから、国の費用・責任で治療研究を行うべきと主張しました。

 稲田議員の地元福井から片山さんが上京し、19歳の平均賃金にされていることを訴え。稲田議員は弁護士さんで、さすが鋭く切り込んでくださいました。低額是正の問題に関する要望は、下記の通りです。

私たちの体験 – アスベスト患者と家族の会 連絡会 (asbestos-patient-family.net)

 今後も粘り強く、労災日額是正をはじめ、石綿救済法改正へ向け、取り組みます。

 アスベスト(石綿)による労災は一般傷病と異なり、アスベスト暴露から発病まで長い時間がかかるので、休業補償や遺族補償の基礎となる給付基礎日額に不合理が生じないよう、総合的な検討が必要です。

 つきましては、下記について要望いたします。

  1. 若年時に離職したため、20代の賃金とされる問題

 現行では、1970年4月26日衆院社会労働委員会の答弁に反し、発病時ではなく、昔働いていた過去の賃金で算定されます。よって、国会答弁に沿い、発病時の賃金を基準とする日額にして下さい。

 2. 労災日額是正前に決定した案件の、是正の遡及適用

 2009年に労働者としての石綿暴露期間がある特別加入者について、また、2017年に定年退職後再雇用された労働者について、労災日額が是正されました。上記是正の前に日額が決定された被災者や遺族についても、同様に是正して下さい。

 また、定年退職後に再雇用され、その後アルバイトになり、アルバイト時の賃金で算定された事案は、当時の解釈としても誤りと思われますので、労災日額を算定し直して下さい。

 さらに、特別加入者が労災日額1万円に設定したものの、のちに5000円にさげた時に発病した場合、日額1万円で算定して下さい。

 3. 行政不服審査会の答申に基づく是正

 2017年11月15日の答申で、石綿暴露が軽微な「最後の事業場」ではなく、疾病発生のおそれが高い会社の賃金をもとに算定するとされました。

 上記答申に沿い、「最後の事業場」に限定することなく、労災日額を算定して下さい。

 4. 石綿の初回暴露から発病までを視野に入れた取扱い

 労災保険制度は「災害発生時の稼得能力の適正評価」と「災害補償責任」のふたつの原則が重要です。また、労災日額(平均賃金)の算定にあたっては、調査検討を尽くすこととされています(昭和53年5月26日の事務連絡や2020年3月9日の行政不服審査会答申)。

上記ふたつの原則を整合させるため「最後の事業場(保険関係)」に限定せずに、石綿の初回暴露から発病までの全期間を考慮して労災日額を算定して下さい。

   稲田朋美衆院議員