「じん肺診査ハンドブック改訂」パブリックコメント募集--石綿肺・合併症を切り捨てるな、という意見を!
2025年10月30日から、じん肺診査ハンドブック改訂にかかわる意見募集が始まりました。
じん肺診査ハンドブックの改訂(案)に関する御意見の募集について|e-Govパブリック・コメント
10月31日、田村貴昭衆院厚生労働委員とともに、厚生労働省に要望しました。
じん肺の合併症である続発性気管支炎については、下記のような経過があります。
じん肺(石綿肺)合併続発性気管支炎の切り捨てを許さない – アスベスト患者と家族の会 連絡会
診査ハンドブックに基づくじん肺管理区分決定は健康管理だけではなく、労災療養に直結します。
厚労省労働衛生課は従前と変わらない、切り捨てではないと弁解しますが、労災補償の現場で患者が切り捨てに苦しんできました。なお労働衛生課や補償課は、通達により対応すると回答しました。
また、下記のような意見を伝えました。
続発性気管支炎を切り捨てないで下さい。
1977年以降の経過から考えますと、喀痰(かくたん)中 好中球エラスターゼ検査は続発性気管支炎患者の切り捨てにつながる危険があります。
仮にハンドブックに記載するにしても、肺機能検査におけるLMS法と同じく未確立で、採用は時期尚早と考えられるので、【付記】にとどめてください。
胸部CTによる石綿肺の鑑別・切り捨てをやめてください。
石綿肺はわかる医師が少なく、誤診されやすく、埋もれています。切り捨てよりも、ほりおこしが必要です。
今なすべきことはほりおこしであって「鑑別・切り捨て」ではありません。
ハンドブックの案では、鑑別切り捨てのために、胸部CTで確認することが肝要、と主張しているように読めます。
私たち患者・家族団体としても、胸部CTなど医療技術の前進を望みますが、治療法の進歩と、労災認定におけるCTによる鑑別・切り捨ては別のことです。
「基準破り」と、基準自体の改正
今まで続発性気管支炎の膿性(のうせい)たんの基準を踏みにじる「労災不支給」が繰り返されました。
さらに環境省の合併症排除に先立ち、続発性気管支炎が「不正受給」であるかのごとき、印象操作がされました。療養している私たち当事者の心を傷つける暴挙です。しかし、内閣は「不正受給者であるとは考えていない」としっかり答弁されました。
好中球エラスターゼ検査や胸部CTによる鑑別に固執するのを見ると、長年粉じんにばく露し、そののち石綿肺や続発性気管支炎に罹患した患者が苦しんでいるのに、それを「不正受給」という偏見で切り捨てるのではないか、現行基準では切り捨てできないので、基準自体を変えようとしているのではないかという疑念を払拭できません。
田村貴昭衆院議員に、石綿救済法改正を陳情
上記厚生労働省への要望に先立ち、田村議員に石綿健康被害救済推進協議会の創設、国の責任による中皮腫(アスベストによる希少がん)の治療研究促進を盛り込んだ、救済法改正を要望しました。
