地方公務員のアスベスト公務災害
民間労働者だけでなく、地方公務員も公務災害認定されます。
主な認定は水道など、教員、消防の3つです。(下記に、申請・認定件数、過去5年間の認定例が掲載されます)
被災職員や家族は、任命権者を通じて、基金に公務上申請します。労災と異なり、いきなり療養補償や休業補償を請求するのではなく、公務上外が判断されます。基金支部ではなく、基金本部が決めます。
2005年のクボタ・ショック後、公務災害請求がなされましたが、当初全事案とまっていました。
国会議員のところに総務省や基金を呼んで交渉したところ、アスベスト専門医がいないため、とわかりました。基金は、東京労働局の局医に専門医になってもらいました。
しかし、基金は「公務員が通常アスベストに暴露しない」という固定観念を持ち、よほど石綿暴露がハッキリしない限り認めませんでした。
2008年度に地方公務員災害補償基金審査会が水道の職員について逆転認定してから、労災認定基準に沿い、作業の実態に即して公務災害認定されるようになりました。
また、2011年度に基金浜松市支部審査会が消防の職員について逆転認定してから、出動回数や現場滞在時間によって認めるようになりました。
上記、基金のホームページから、認定例を引用します。
多量の石綿建材が使用された建物内での消火活動等においてばく露
被災職員は、消防吏員として勤務していた時期に、多量の石綿建材が建物等に使用されていた現場で、消火活動・火災原因調査・予防査察等を行っていた際に石綿にばく露し、悪性胸膜中皮腫に罹患。
理科の授業を行う中で、石綿素材の金網などを使用した際にばく露
被災職員は、小学校教諭として高学年の理科の授業でアルコールランプを使用する実験を行い、石綿を使用する金網やアルコールランプの芯に切込みを入れるなどした際に、飛散した石綿を相当量吸入したものと推測され、それにより疾病を発症したものと思われる。
理科実験の準備でアスベスト労災認定 元小学校教諭の男性 | 毎日新聞
迅速・公正な公務災害認定のため、国会と連携する必要があります。