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国鉄「時効」遺族(中皮腫)不認定を、認定基準に沿って取り消してください。

お知らせ 制度・改善

 特別遺族給付金(石綿救済法、労災時効救済)は、石綿暴露があり、死亡診断書に中皮腫という記載があれば救済することになっています。ところが、JR職員だったかたの遺族は救済されるのに、国鉄職員だったかたの遺族は救済されません。差別です。 下記、毎日新聞記事

JRは支給されるが、国鉄は不認定 – アスベスト患者と家族の会 連絡会 (asbestos-patient-family.net)

 石綿救済法は、厚生労働省関係の特別遺族給付金と・環境省の救済給付の二本立てです。

 鉄道・運輸機構は「業務災害」なのに、上記厚生労働省の基準(石綿労災認定基準)ではなく、環境省の基準(救済給付)を誤用して、不認定にしてしまいました。

 連絡会として、鉄道・運輸機構に下記の通り要望書を送りました。

                                       2024年9月13日

独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構

理事長 藤田 耕三様

アスベスト患者と家族の会 連絡会
  共同代表 平地千鶴子
   久保 啓二
高田 宣佳

石綿被害の業務災害に関する要望書                                              

 お世話になります。

 毎日新聞2023年12月5日付けで、JR職員ならば救済されるケースについて「旧国鉄中皮腫死補償せず」と報じられました。

 どうして、このような差別が起きるのでしょうか。石綿救済法制定をめぐり、政府や国会で唱えられたアスベスト被害の「すき間ない救済」に反する事態です。 

  1. 規程と取扱基準に沿った救済を

「特例業務所管組織昭和62年3月31日以前に係る業務災害補償等規程」第1条(注)には石綿救済法が明記され、第64条には「特別遺族給付金」が明記されます。よって、規程にある石綿救済法は厚生労働省関係と解されます。また、「特例業務所管組織昭和62年3月31日以前に係る業務災害補償等取扱基準」第10条(注4)にも「石綿による疾病の認定基準について」が明記されます。なお取扱基準には、認定基準記の第3の4(特別遺族給付金に係る対象疾病の認定について)を排除するという、特段の規定はありません。

 そして、特別遺族給付金について、被災者の死後5年以内の請求事案と異なり、疾病の特定及び死亡の原因に判断については、死亡診断書の記載で足りるとされます。

 したがって、石綿ばく露が認められ、死亡診断書に中皮腫と記載される特別遺族給付金事案は、ただちに救済すべきです。

 2 専門医も法令通達に沿って判断しなければならない

 上記取扱基準第13条には、石綿被害による申請について専門医による判断が規定されます。しかし、厚生労働省も地方労災医員や本省専門医による判断を行っており、機構だけ特別な取扱いとは言えません。

 認定基準はそれなりの専門家の検討を経て策定されているので、機構の専門医といえども認定基準に従わねばならず、フリーハンドは許されません。

 認定基準では被災者の死後5年以内の請求事案については「病理組織検査結果に基づく確定診断」が重要ですが、特別遺族給付金については死亡診断書で救済しなければなりません。

 3 石綿救済法の厚生労働省関係と・環境省関係の規定の混同

 第195回専門医による石綿に関する検討会の記録によれば、死亡診断書に中皮腫と記載されるのに、石綿救済法の(未申請死亡者)の医学的判定の考え方の認定要件に該当しないとして、不認定にされています。

 しかし、この不認定理由では、明らかに石綿救済法環境省関係の救済給付の認定要件が誤用されています。確かに、救済給付では救済法(施行前死亡者)については死亡診断書で足りるのに対し、(認定申請者)や(未申請死亡者)は病理などの確定診断を要します。

 専門医は、取扱基準に明記される認定基準によらずに、環境省関係の認定要件を誤用しており、違法です。

 4 ただちに原処分の取消しを

 上記不認定事案について、当会の会員である日和田修司さんが遺族として異議申し立てを行っていますが、本件は石綿ばく露と中皮腫という死亡診断書の記載が明らかなので、原処分をただちに取り消して救済してください。