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環境省の救済給付は、肺がんと石綿肺を排除

お知らせ 制度・改善

 石綿健康被害救済小委員会の廃止を決めた、中央環境審議会(中環審)環境保健部会の2023年9月の議事録で、岸本医師が「これ以上対象疾病を追加するということもなかなか難しいんじゃないか」などと、発言。小委員会の廃止を正当化しています。

中央環境審議会環境保健部会(第51回)議事録 | 環境省 (env.go.jp)

 しかし、石綿救済給付は、石綿関連肺がんの多数(石綿暴露かつ胸膜肥厚斑という症例)、石綿肺の多数(続発性気管支炎などの合併症)を排除しています。肺がんでも、広範囲の胸膜肥厚斑(プラーク)や「石綿小体5000本以上」などがなければ認めないのです。労災認定基準より、不当に厳しくなっています。

 石綿肺も12月1日までの判定件数累計で、医療費等の申請で石綿肺の認定38件に対し、不認定が421件。特別遺族弔慰金等の申請で、石綿救済法施行前死亡について、石綿肺認定2件に対し、不認定20件、未申請死亡について、石綿肺認定6件に対し、不認定128件です。驚くべき不認定率の高さです。なるべく救済しようということではなく、なるべく鑑別排除しようというもので、救済給付は不認定だが、厚生労働省労働局のじん肺管理区分は通るという例もあります。

 石綿救済法上、救済給付の指定疾病の制定・改廃や、救済給付の医学的な判定について、中環審の意見を聴くことになっています。しかし、「石綿健康被害の特殊性」に着目した救済法は環境省関係だけでなく、厚生労働省関係もあるのですから、救済法の見直しを中環審に任せるわけにはゆきません。

 救済小委員会も、当事者代表がひとりで、あとは環境省の都合のいい人選、というのはけしからん話です。

 過労死等防止対策推進協議会は、ILO原則の公益(有識者)・労働者代表・使用者代表+当事者(過労死遺族などの当事者)という四者構成です。石綿救済法の見直しについても、このような四者構成(石綿被災者や家族という当事者を入れ、当事者推薦の有識者を入れる)の石綿被害救済推進協議会を作らないと、公平な議論はできません!