2005年以来の要求「20代の賃金ではおかしい」→ついに労働政策審議会が見直しを厚生労働大臣に建議
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制度・改善
2026年1月14日、労働政策審議会労災保険部会は「労災保険制度の見直しについて(報告)」を了承、労政審として大臣に建議しました。
第127回労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会|厚生労働省
その中で、アスベストなど「遅発性疾病に係る労災保険給付の給付基礎日額」について、発症時賃金が、最終ばく露時賃金を基礎として算定した平均賃金より高くなる場合は、発症時賃金を用いることになりました。
2005年11月、福井の片山さんがNHKの番組で、20代でアスベストばく露事業場を離職して、潜伏期間を経て発症すると、20代の低賃金にされた問題を訴えました。
アスベストの労災日額については、長いとりくみで、さまざまな低日額が是正されてきました。労災特別加入の低額、再雇用の低額などで、これらは「災害補償責任」の原則に沿って見直されてきました。
今回の20代賃金という「最終ばく露時賃金」ではなく、発症時賃金が高ければ 高いほうで、という是正は、「労働能力損失補償」の原則によるものです。
遡及適用は、どうなるか
今年、上記の通り改正されますが、すでに決定されている給付基礎日額はどうなるか。
被災患者の休業補償については、下記の労働保険審査会の裁決によれば、新解釈で是正することができます。
| 事件 | 令和6年労第352号 | 連絡会の会員 |
| 従前の解釈 | 1970.1.22基収第4464号 | 1975.9.23基発第556号、1978.2.2基発第57号 |
| 日額の決定 | 2015.1.3 | 2010.4.14 |
| 新解釈 | 2023.3.29基補発0329第2号 | 今年策定予定 |
| 休業補償の後続請求 | 2023年11月1ないし30日分 | 2025年7月1日ないし8月3日分 |
| 不服審査の判断基準 | 2023.3.29の新解釈 | 今年策定予定の新解釈 |
連絡会のかたで、被災患者が昨年亡くなり、ご遺族が未支給の休業補償について「20代の賃金ではおかしい」として審査請求しています。休業補償で日額が是正されれば、当然遺族補償年金・葬祭料も是正しなければなりません。
この通り患者については是正されるけれども、遺族については是正されないというのでは不合理なので、引き続きとりくみが必要です。
